• お役立ち情報
  • 電気工事

2022.11.18

PCBとは?PCB廃棄物の基礎知識と早期処理について解説

2001年にPCB特措法が制定、2016年にPCB特別措置法が改正されてからこれまでの間、着々とPCBの処理が進められてきました。PCB廃棄物の処理には期限が定められており、その期限内には確実に処理しなければなりません。ここでは、PCB廃棄物の基礎知識や早期処理について解説していきます。

PCB(ポリ塩化ビフェニル)とは?

PCBとは「Poly Chlorinated Biphenyl(ポリ塩化ビフェニル)」の略称で、化学的に合成された有機塩素化合物の一つです。水に溶けにくく、沸点が高い、熱で分解しにくい、不燃性、電気絶縁性が高いなどといった特徴があります。

無色透明で化学的に安定な性質のため、変圧器やコンデンサなどといった電気機器用絶縁油や塗料など、幅広い用途で利用されていました。しかし、現在PCBの製造や輸入は禁止されており、PCB廃棄物の早期処理が求められています。

PCB廃棄物の種類

PCB廃棄物には高濃度PCB廃棄物と低濃度PCB廃棄物の2種類があり、PCB濃度によって分類されています。ここでは、高濃度PCB廃棄物と低濃度PCB廃棄物のそれぞれの特徴を解説します。

高濃度PCB廃棄物

意図的にPCBが使用された機器のPCB濃度は非常に高いものとなっており、それらは高濃度PCB廃棄物にあたります。代表的な電気機器としては、高圧変圧器・高圧コンデンサ・安定器などがありますが、1972年に製造が中止されて以降で高濃度にPCBが含まれたものはありません。

低濃度PCB廃棄物

2002年に国や業界団体などの調査によって、PCBを使用していないとされてきた電気機器等の中にも、微量のPCBに汚染されたものがあることが判明しました。意図的ではなくPCBに汚染されてしまった機器の場合は、PCB濃度は非常に低くなりますが、低濃度PCB廃棄物とされています。

PCBはその有用性から広範囲に使用されるも、その毒性が明らかになり1972年(昭和47年)に製造が中止になりました。それから約30年間に渡り民間主導で処理施設の立地が試みられましたが、地元住民の理解が得られず立地には至りませんでした。
保管の長期化により、紛失や漏洩による環境汚染の進行が懸念されたことから、それらの確実かつ適正な処理を推進するため、平成13年6月22日に「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」(PCB 特措法)が公布され、同年7月15日から施行されました。

環境省ホームページ:低濃度PCB廃棄物早期対処情報サイト

PCB廃棄物の処理が必要になった経緯

PCBは幅広い用途で利用されていましたが、脂肪に溶けやすく体内に蓄積する性質があり、さまざまな症状を引き起こす毒性が判明しました。その後1972年に製造が中止となり、民間主導で処理施設の立地を進める方向になります。しかし、地元住民の理解が得られず、処理施設の立地は実現しませんでした。

保管が長期化したことで、紛失や漏洩による環境汚染が問題視され、2001年に「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB特措法)」が制定されます。その後、東京事業や北九州事業など、全国5箇所に処理施設ができました。2016年にはPCB特別措置法を改正し、早急に処理をおこなうための法整備が進んでいきます。

PCBの処分期間は?

PCBの処分期間は、低濃度PCB廃棄物と高濃度PCB廃棄物によって異なります。低濃度PCB廃棄物は2027年3月31日まで、高濃度PCB廃棄物は地域ごとの期限内に適正に処理する必要があります。

高濃度PCB廃棄物については、豊田事業エリア・大阪事業エリア・北九州事業エリアの期限はすでに終了しており、北海道事業エリアと東京事業エリアは令和4年の3月31日までです。

特別措置法を違反した場合の罰則

PCB特措法にはさまざまな罰則が定められています。低濃度PCB廃棄物については2027年3月31日まで、高濃度PCB廃棄物は地域ごとの期限内に適正に処理しなければなりません。期間内の処分ができなかった場合、環境大臣もしくは都道府県知事は事業者に改善命令を出すことが可能です。

改善命令に違反した場合は、3年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、または両方が罰則として科せられます。PCB廃棄物の保管や処分の状況を毎年報告する必要があり、報告しない場合や虚偽の届け出をした事業者には、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。

さらに、PCB保管事業者の相続・合併・分割があった際は、事業者の地位を承継した者は都道府県知事に届け出るのが義務です。届け出なかった場合、虚偽の届け出をした場合は、30万円以下の罰金が科されます。

PCB廃棄物を保管する事業者に課せられる規制

低濃度PCB廃棄物の処理するために必要な準備は?

低濃度PCB廃棄物は法で定められた適切な処理が必要で、PCB濃度を確認することや官公庁への申請をしなければなりません。トランスやコンデンサなどのPCB含有についてや、PCB廃棄物の処理で不明な点がある場合は、PCB処理を代行する専門業者に相談してみましょう。

低濃度PCB廃棄物の処理方法や申請業務は複雑なものですが、代行を依頼することでスムーズかつ確実に処理を実行することが可能です。

日本テクノエンジ株式会社:PCB含有機器 全般サポート

PCB廃棄物の処理はお早めに!

高濃度PCB廃棄物の処理は、豊田事業エリア・大阪事業エリア・北九州事業エリアの期限はすでに終了し、北海道事業エリアと東京事業エリアは令和4年の3月31日までです。低濃度PCB廃棄物は2027年3月31日までとなっています。定められた期限までに確実に処理することが求められているので、できる限り早めに処理することを検討していきましょう。

電気工事・空調設備・太陽光発電・非常用発電機は日本テクノエンジへお任せください!